NEWS /
COLUMN

ニュース/コラム

2025.05.13

  • コラム

【ダイヤモンド相場 2025年5月版】ダイヤモンド相場と2024年からの推移|天然vsラボグロウンの実態

世界情勢や供給事情に左右されるダイヤモンドの相場。2024年から2025年にかけて、ダイヤモンド市場は大きな転換期を迎えています。本記事では、天然ダイヤ・ラボグロウンダイヤの相場とその推移を、買取・卸・小売別の目線から、徹底分析してみましたので是非ご覧になってください!

🔹 天然ダイヤモンドの相場(ルース価格)

※天然ダイヤモンドは、カラー・クラリティ・カット・カラット(いわゆる「4C」)によって価格が大きく異なります。以下は、海外相場(Rapaport等)を参考にした目安です。

🔹 2025年5月時点の天然ダイヤモンド相場はコチラ↓(ルース価格)

カラット数 グレード(カラー / クラリティ) 卸価格(1ctあたり・USD) 昨年比
0.30ct G〜H / VS2〜SI1 $600〜$1,000 ▲約10〜15%下落
0.50ct G〜H / VS2〜SI1 $1,200〜$2,200 ▲約15%下落
1.00ct G〜H / VS2〜SI1 $3,500〜$6,000 ▲約20〜25%下落
1.50ct G〜H / VS2〜SI1 $7,000〜$12,000 ▲約20%前後下落
2.00ct G〜H / VS2〜SI1 $12,000〜$18,000 ▲約15〜20%下落

 

ちなみに直近5年で価格がピークだった年は2022年になります↓

🔹 2022年5月時点の天然ダイヤモンド相場(ルース価格)

カラット数 グレード(カラー / クラリティ) 卸価格(1ctあたり・USD) 備考
0.30ct G〜H / VS2〜SI1 $750〜$1,200 高品質帯で$1,300超も
0.50ct G〜H / VS2〜SI1 $1,600〜$2,500 一部Dカラーで$3,000台
1.00ct G〜H / VS2〜SI1 $5,500〜$7,500 高騰ピーク期(前年比+30〜40%)
1.50ct G〜H / VS2〜SI1 $10,000〜$14,000 需要集中で価格吊り上がり
2.00ct G〜H / VS2〜SI1 $15,000〜$22,000 2ct以上の上昇が特に顕著

📈 なぜ2022年がピークだったのか?

要因 内容
コロナ明けの回復需要 欧米・中国などで「リベンジ消費」が爆発。ジュエリー購入が活発に。
サプライ不足 コロナ影響+戦争(ロシア制裁)で供給減。アルロサ(ロシアの大手鉱山)の供給停止。
為替相場 円安・ドル高の影響で日本国内の価格も上昇。
投資対象としての注目 インフレヘッジとしての実物資産として買われた。

当時の記憶を辿ると、国内市場の需要は非常に高く、それに呼応するように海外からのバイヤーも多数来日しており、市場全体がかつてないほどの活気に包まれていました。特に御徒町エリアでは、様々な国籍の外国人バイヤーが行き交い、宝石店や取引所は常に賑わいを見せていたのが印象的です。

📉 相場下落の要因:

  • 世界的な景気減速、金利高止まりによる高級消費の冷え込み

  • ラボグロウン市場の急拡大による天然ダイヤへの価格圧力

  • 一部の中〜低品質帯で在庫過剰が発生

👉 これらの要因が重なった結果、2024年以降は天然ダイヤモンド市場全体において価格が下落傾向となり、現在もその影響が続いています。

🔹 国内小売価格と買取価格の動き(日本)

◾ 小売価格(一般消費者向け)

  • 昨年:1ct G-VS2 のリング → 90万〜120万円

  • 現在:70万〜100万円前後まで値下がり傾向

  • ブランド付き商品は価格維持または据え置き傾向

買取価格(業者向け)

  • 昨年:GIA付き 1ct G-VS2 → 約50万円前後

  • 現在:35〜45万円前後に下落中

現在でも2ctアップの大粒ダイヤモンドやVVSクラスの高グレード品は高値で流通していますが、市場全体で玉数が減少していることも背景にあり、これが取り合いによる価格維持・上昇の一因となっているようです。

 

続いてはラボグロウンダイヤの価格推移を調査してみます↓

🔹 ラボグロウンダイヤモンドの価格推移

カラット数 グレード 2024年相場 2025年相場 増減
1.00ct G / VS2 約$800〜$1,000 $300〜$800 ▼約30〜50%下落
  • 生産過剰と価格競争が進み、2025年は大幅下落

  • 一部のルースは「1ct=日本円で1〜3万円台」まで到達

  • 天然との価格差が「1/10」レベルまで広がるケースも

まさに驚くほどの下落幅ですね。やはり、無制限に供給が可能な状況では、資産価値としての位置づけは年々下がっていく傾向にあるのも致し方ないのかもしれません。

🔸 天然とラボグロウンの「価格差」はどうなったか?

比較項目 天然ダイヤ(1ct) ラボグロウン(1ct) 差額感
卸価格 $3,500〜$6,000 $300〜$800 約5〜10倍差
国内小売価格 70万〜100万円 8万〜20万円前後 約4〜8倍差
国内買取価格 35万〜45万円 1万〜5万円 約10倍差

 

価格差が拡大しており、ラボグロウンの導入が加速する一方で、天然ダイヤの価値は「選ばれた宝石」として差別化される傾向が強くなっています。

 

📝 今後の動きと注意点

  • 2025年後半〜2026年は天然相場の一部持ち直しが見込まれる(在庫調整進行中)

  • GIA・CGLなど信頼性の高い鑑定書付きルースは安定需要あり

  • ラボグロウンは一定レベル以上の品質石のみが生き残る時代へ

とはいえ、ラボグロウンダイヤモンドには依然として大きなメリットが存在します。限りなく天然に近い美しさを持ちながらも、価格は1/5〜1/10程度と非常に手頃で、サイズやグレードに妥協せず選べる点は大きな魅力です。

さらに、色や形も自由自在にカスタマイズ可能で、従来のジュエリーにとどまらず、時計・アートピース・カーインテリアなど多様な用途に活用されるケースも増えています。

環境配慮や倫理性といった観点でも注目されており、今後は「天然とラボを目的に応じて使い分ける時代」がさらに加速することが予想されます。

パライバでは、こうした時代の流れを見据え、天然ダイヤとラボグロウンの両方に精通した提案を行っています。
お客様のニーズや価値観に寄り添いながら、最適な一石をご紹介いたしますので、ぜひお気軽にご相談ください。